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Interview

JPデジタル、スタートから1年半で何が変わった?

2021年7月、日本郵政グループのDX(デジタルトランスフォーメーション)をリードする存在として立ち上がったJPデジタル。1年半で何が変わったのか。幹部の5人に聞いた。

飯田:JPデジタル CEOの飯田です。日本郵政グループでは、DXを推進するグループCDOとして、グループ各社のDXの伴走支援や人材育成にも力を入れています。

以前は、楽天グループでアメリカを拠点にグローバライゼーションに取り組んでいました。キャリアを通じて17年間アメリカで過ごした私だからこそ、日本を俯瞰し、良いところを再発見できるのではないか、そう思いながら日本のインフラを担う郵便局の仕事をしています。

JPデジタル 代表取締役CEO 兼 日本郵政 執行役・グループCDO 飯田泰久

柴田:CIOの柴田です。飯田さんが日本郵政グループにジョインされる前から、グループの垣根を超えてDXを進めるため、テレワーク環境の整備やRPAの導入などを進めてきました。しかし、DXの本質は、事業モデルを変え、新しい価値を生み出していくことにあります。このままではいけないという課題感でJPデジタルに参画しました。現在は、社内IT環境の整備はもとより、新しいサービスの企画立案からプロジェクトマネジメントまで一気通貫で携わっています。

柳:取締役の柳です。以前は、かんぽ生命保険のシステム部門で、メインフレームの運用・保守を担当していました。そんな中、かんぽ生命保険にデジタル化を進めるIT改革推進室が立ち上がり、1年間室長を務めました。変革には抵抗も多く、なかなか苦労しました(笑)。そんな経緯もあって、JPデジタルに参画しました。

郵便局には、手間のかかることがまだまだたくさんあります。例えば入院保険。システム上は保険金がきちんとお支払いできていればいいのですが、その間には、お客さまに制約条件をお伝えし、ご納得いただき、署名いただくという、システムからは見えないフローがあります。オンライン化できていたのはほんの一部で、多くの業務を置き去りにしていたのです。かんぽ生命保険では今、マイページでお客さま自身が保険金を請求できる仕組みを作っていますが、これに限らずあらゆる場面でフローを簡素化していく必要があるのだと思います。

伊藤:CTOの伊藤です。1年前までソフトウェア企業にいて、DXのコンサルティングにも携わっていました。その中で実感したのは、DXとデジタル化は混同されることが多く、「RPAを導入すればDX」みたいな理解をしている企業が多いということ。でも、業務オペレーションや企業文化までも変えるような踏み込んだ提案をすると、「投資対効果が見えにくい」と言われてしまう。要は、「デジタル化は必要だけど、今のやり方は変えたくない」という要望が多かったのです。「やり方を変えずにツールだけ入れても意味がない」という話をしても噛み合いませんでした。

そんなとき、JPデジタルと出会い、良くも悪くも好奇心旺盛な私は、「エンドユーザー1億人のプロジェクトに関われる」と思って飛び込みました。大角さんから「日本郵政のシステムってどうなっているか想像つきますか?」と言われたことだけ覚えています(笑)

大角:COOの大角です。私は、1996年に当時の郵政省に入省し、2003年から10年ほど経営とITをつなぐ役割を担いました。2007年の郵政民営化プロジェクトにも携わりましたね。2020年からは日本郵政グループの中期経営計画担当とDX推進部長(旧:DX推進室)を務め、2021年7月に飯田さんとJPデジタルを立ち上げました。何でも屋です。

JPデジタル 取締役COO 兼 日本郵政 DX推進部 部長 大角聡

──そんな5人が今、役員として力を合わせてDXを進めているのですね。

飯田:私たち5人は毎朝集まり、会社で今何が起きているのか情報共有しています。「Executive Morning Huddle」と呼んでいるのですが、会議室ではなく、誰でも聞けるオープンなスペースで話をしています。私はそれがすごく大切だと思っています。

DXの障壁は

──日本郵政グループにおけるDXの障壁は何だと思いますか?

伊藤:一つは、「1日8時間分の仕事を残さないといけない」という考えが根強く残っていることにあると思います。マネジャークラスは「今のやり方を変えずにシステム化してほしい」と言うんです。「フロントラインがそう言っている」と。

もう一歩踏み込んで聞くと、「やり方まで変えたらフロントラインの仕事を奪ってしまう」「フロントラインの人たちが不安になる」と。だから今の業務をそのままデジタル化するという発想になってしまうのです。でも、デジタル化の本懐は、今の仕事を効率化し、新たな価値を生み出すことにあると思います。その先にDXがある。

JPデジタル 執行役員CTO 伊藤

柳:今の業務の中にも忙しくて後回しになっていることがたくさんあります。今の業務を効率化できて初めてそれに着手できる。ですから、「仕事が奪われる」なんてことはないのです。

飯田:私はデジタルテクノロジーが一つの解になると思っています。スマートフォンが出てきたばかりの頃を思い出してください。ガラケーがスマホに取って代わられるなんてあり得ないと思われていました。でも、いざスマホを使ってみると「こっちのほうがいい」となって、自然と変わっていった。

私はそれがテクノロジーの力だと思っています。私は長らくテクノロジーの世界にいて、その力をつぶさに見てきました。デジタルで便利さを追求し、それを体験してもらえたら、世界を変えられると思っています。

日本郵政グループにないDNAを育てる

JPデジタルが始まって1年半。どんな変化がありましたか?

柴田:物事が進むスピードが劇的に速くなりました。その理由の一つが先ほどの「Executive Morning Huddle」だと思っています。Huddleには、メンバーの要望や相談事が集まってきます。「困ったらいつでも相談してね」と伝えているんです。要望が上がってきたら翌朝にはHuddleにかけ、改善策などを決めます。

JPデジタル 執行役員CIO 柴田彰則

柳:自分で動き出す社員が多くなってきましたよね。

伊藤:そうですね。日本郵政グループには真面目なメンバーが多い一方、「自分たちで決めてやっちゃおう」という文化がありませんでした。私は今、何か相談があれば「君はどうしたいの?」「君がそう思うなら、その方向で行こうか」といったようなコミュニケーションを取るように心がけています。そうすることで、「こうしたいと思うんですけど」と来てくれるメンバーが少しずつ増えてきました。

そうしたカルチャー変革の先に、何を見据えていらっしゃるのでしょうか?

伊藤:内製化を進めていきたいと思っています。日本郵政グループはこれまで、基本的にはシステム開発を外部のパートナーにお任せしてきました。その分、調整や稟議などに時間がかかっていたのです。将来的には「JPデジタルに相談したら解決できるはず」という存在になれたらいいなと思っています。

飯田:この一年半で、日本郵政グループは確実に変わり始めました。何が素晴らしいかって、私が外部からDXの専門家を大勢連れてきてやっているのではなく、もともと日本郵政グループにいた人たちがやっているということです。これって僕は本当にすごいことだと思っています。

2022年8月には、DXを加速させるべく、日本郵政グループ横断で「DX人材育成プログラム」をスタートさせましたね。

飯田 はい。このプログラムは、私たちの実態に即して一からオリジナルで作りました。DXを進める上で必要なマインドセットにも触れています。社内で飛び交う「前例踏襲」「出る杭は打たれる」「動いたら負け」といった表現を盛り込み、「これでは新しいことに挑戦するマインドは作れませんよ」といった感じで踏み込んでいきます。

役員クラスにも積極的に受けてほしいです。実は前向きな若手社員から「やりたいことはあるけれど、上司が分かってくれない」という声が上がっています。前例がないとか、失敗したら大変だとか、良かれと思って止めているのだと思いますが、邪魔をしないでほしい。若手の挑戦を後押しすべきだと気づいてほしいです。

「みらいの郵便局」とは

2022年7月には、大手町郵便局を実証実験郵便局とする「みらいの郵便局プロジェクト」が本格スタートしました。皆さんの思う「みらいの郵便局」とは?

伊藤:JPデジタルには、「マイナスをゼロに」という考え方があります。まずは他の民間サービスと同じレベルにまで使いやすくしていこうと。届けたい物をいかに簡単に正しく届けられるか。我々はそこに注力すべきだと思っています。

例えば、自分が郵便局に行かなくても、玄関の前に置いておくだけでドローンが持っていってくれたら楽ですよね。手段は置いておいて、ユーザーが楽になるのが一番いいと思っています。

柳:郵便局って場所によっては常に混んでいますし、平日の昼間に行けない人にとっては不便ですよね。ですから、スマホを使って自宅や職場でもできることを増やしていきたいと思っています。

JPデジタル 取締役 柳洋一

ただ、私の中の「みらいの郵便局」は、子どもの頃の原体験にあります。小学生の頃、暑い日は郵便局に冷たい水を飲みに行きました。正月が明けたらホクホクした気分でお年玉を預けに行きました。局員の皆さんにすごくかわいがっていただきました。

この仕事を始めて郵便局にレクチャーする立場になったとき、そのときお世話になった局員さんが研修にいらしたことがありました。「わー、ごぶさたー!」って。そういう人と人のつながりが郵便局の良さだと思います。

あたたかさと便利さの両立。気軽に立ち寄れて、スムーズに手続きができ、忙しければスマホでも済む。そんなふうにユーザーに寄り添えるのが、「みらいの郵便局」の姿だと思っています。

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