どうせやるなら、大きなチャレンジを
システムとビジネスの架け橋として
活躍する若手スクラムマスターの熱い思い
JPデジタルでは、アジャイル開発の体現に向けて、小規模で自律的に活動するスクラムを組み、プロジェクトを進めている。今回は、新卒でゆうちょ銀行に入社、6年目でJPデジタルに移り、スクラムマスターとして活躍する久保廣菜さんに話を聞いた。
変わらなきゃいけない。そこで感じた未来への展望
──なぜJPデジタルで働きたいと思ったのでしょうか?
私はゆうちょ銀行に入社したのですが、正直言って日本郵政グループのデジタル化は遅れていると感じていました。縦割りの組織で、グループ横断でDXを推進するような旗振り役もいませんでした。デジタル化すればもっと郵政の資産を有効活用できるはずなのに、アナログに頼りすぎていた。これで本当にいいのか、変わるべきではないのか、変わらなきゃいけないのになぜ誰も動かないのか、そういう危機感がありました。
そんなときにJPデジタル設立のプレスリリースを見つけ、やっとグループ全体のDXを推進する会社ができたのだと未来への展望を感じたのを覚えています。さらにJPデジタルのWebサイトで飯田CEOのメッセージに触れて、本気で変えようとする姿勢が伝わってきた。自分のスキルをこの会社で活かしてみたいと思いました。
スクラムマスターという新たな挑戦で見出したもの
──現在のミッションや仕事内容はどのようなものでしょうか?
ある大きな新規事業開発のスクラムマスターを担っています。私の最大のミッションは、リリースに向けてスケジュール通りにタスクを進めるために進行の妨げとなる小石を取り除くこと、そしてそのサービスがお客さまにとって本当に意味のあるものになるよう全体を取りまとめることです。
スクラムは、グループ内外に関係なく、さまざまな会社から集まったメンバーで成り立っています。だからこそ、スクラム内では噛み砕いて話すことを常に意識しています。
会話のなかで専門用語が出てくることもよくありますが、「これはこういうことですか」と自分がシステム側とビジネス側の架け橋になれるように心がけています。それが、互いの垣根を越え、スクラム一体となって進めるうえで、重要なことだと思っています。
──プロジェクトを進めるうえでは、どのようなことを大事にされているのでしょうか?
私が大事にしていることは3つあります。
1つ目は、思いを伝え、共有することです。
スクラムに新メンバーがジョインするたびに、必ずプロジェクトオーナーである上司と私で、なぜ私たちがこのプロジェクトに取り組んでいるのか、どういう世界を実現していきたいかということを伝えています。それも、全員一緒にではなく個別で、面と向かって伝えています。
大きな組織ですとトップダウンのかたちでの仕事が多く、何のためにやるのかという意義を見い出せなかったり、途中で方向性や目的がバラバラになりがちになったりします。そうならないように、自分がなぜここにアサインされ、何を期待されているのか、そういったことを本人にしっかりと伝え、必ず認識を確認し合うことを心がけています。
──なるほど、かなり丁寧に進めていくのですね。
2つ目は、チームビルディングです。
スクラムには、多種多様な人たちが色々な思いや背景を持って集まってきています。どんな人かわからない状態で仕事をするより、しっかりその人のことを知ること、メンバーの関係が深まることで物事も円滑に進むと考えています。より良いサービスにするには議論が重要で、議論をより活発にするには関係性が大事です。ときには、キックオフに1時間くらいかけて、チームビルディングのワークをしたりもしています。
3つ目は、仲間を信じて、任せることです。
私はこれまで、人に任せるより自分がやったほうが早いと考え、あまり人を信じて仕事ができていませんでした。個人プレーで仕事をすることも多かったのです。スクラムマスターとしてアサインされたときも、当初はメンバーのことを信じきれてはいませんでした。
とはいえ、私たちのスクラムでは、1つ目に挙げた通り「思いの共有」をしっかり行なっているため、手戻りなくぶれずにアウトプットができています。むしろメンバーが出すアウトプットが自分の期待を超えていることもあり、「あっ、任せていいんだ」と気づきました。すると次第に仕事を任せられるようになっていきました。自分1人ではわからないこともたくさんありますし、限界もあります。いまはチームで仕事をする大切さを日々実感しています。
互いに信頼し、尊重しあえる仲間の存在
──これまで苦労や困難なことに遭遇したこともあったかと思います。そんなときはどのように乗り越えてきたのでしょうか?
私は開発もスクラムマスターも経験したことがなかったので、最初はスクラムマスターとしてどうしたらいいかわからず、悩んだ時期もありました。その悩みを乗り越えられたのは、プロダクトオーナーである上司の存在でした。
上司に悩みを相談したところ、スクラムマスターの経験者の人とのミーティングをセットしてもらい、気楽に会話をさせていただきました。それだけでも、すっと肩の力が抜けました。「よし頑張ろう」というときに、いつも背中を押してくれる、その上司の存在は大きいですね。
困ったときにはすぐに助けを求められるという心理的安全性だけでなく、上司は自分がやりたいと言ったことについて、けっして最初から否定はしません。方向性がずれているときは、私の思いを汲み取りながら軌道修正もしてくれます。その上司がいなかったら、正直ここまでやってこられていないです。
──スクラムそのものの雰囲気はどのような感じなのでしょうか?
メンバー全員が同じ方向に向かって、「プロダクトを成功させたい」という思いで取り組んでいます。仮にちょっとした認識のズレがあったとしても、意見を否定するのではなく、相手を尊重して、より良くするための意見を言い合えますし、新しいアイデアもどんどん出てきます。問題が起きたときですら、険悪なムードにはなりません。むしろどうやって解決しようかという前向きな解決策を考えてくれます。
──久保さん自身は、どのようなモチベーションを持ってプロジェクトに取り組んでいるのでしょうか?
このプロジェクトが成功すれば、多くの人たちのペインが解決される。そんな未来を想像しながら、そこにいちばんのモチベーションを置いて取り組んでいます。どうせやるなら大きなプロジェクトを成し遂げて、「すごい便利なサービスだね」と多くの人に喜んでもらいたいです。
働きやすい環境の源泉にあるものとは
──これはJPデジタルらしいと感じるのはどんなところでしょうか?
社長をはじめ役員の人たちとの距離が近いという点は、JPデジタルらしいところではないかと思っています。一般的な会社ですと、役員の人と話すとなると、かなりハードルが高い、まして社長と話すなんてもってのほかです。JPデジタルでは、役員の人たちも私たちと同じオフィスで普通に仕事しており、話しかけやすいですし、むしろ向こうから話しかけてもくれます。
──とてもフラットな環境なのですね。そういった環境ですと、どのような利点があるのでしょうか?
良い意味で、役職や年次を気にせず、若手でも意見が言いやすい環境があります。
おおかたの大企業では、役職で呼ぶことが多いと思いますが、JPデジタルでは皆が「〜さん」という呼び方で話しかけるのがスタンダードです。
また、役員の人はどんなに忙しいときでも、例えば資料を作成する際などには「もっとこういうエッセンスを入れたほうがいいのでは」とか「こうしたほうが先方も納得しやすいかも」というアドバイスをしてくれて、きちんとフォローしてくれます。
自分1人ではなく、会社全体としてプロジェクトを成功させたいと考えているのだと感じます。これもまた、ある意味で心理的安全に繋がっています。だからチャレンジもしやすい、何かあったらどうしようという恐れもありません。
──久保さんのように女性も活躍できる環境は魅力です。それはどうしてなのでしょうか?
女性だからといって特別扱いするのではなく、女性ならではのスキルや感覚をきちんと理解していて、自然と仕事にプラスになるよう、その能力を生かしてくれる人たちが多いと感じています。
例えば、コミュニケーション能力の高さや細やかな配慮ができるところとか、そういったスキルや感覚を求められていて、アサインされていると感じるので、女性としてもとても働きやすい会社です。
──働き方という観点から、JPデジタルが働きやすいと感じるポイントはありますか?
半日だけ在宅ワークができたり、どこでも仕事できたりするのは、働きやすいと感じる点です。働き方は、仕事のパフォーマンスにも大きく影響すると考えています。例えば、満員電車などの通勤で疲れてしまうと、パフォーマンスも低下してしまいますから。
とにかく、大きな変革にチャレンジしたい
──現在、チャレンジしていることは何でしょうか?
というよりも、日々がチャレンジです(笑)。アプリ開発も、1から企画を考えるのは初めての経験ですし、これまでにやったことがないことに向き合い続けています。毎日、自分のスキルを伸ばしつつ、周囲からは自分にない観点も得られています。
──では、今後さらにチャレンジしてみたいことは何でしょうか?
プロダクトオーナーとして、自分の意思100%のプロダクトをリリースしてみたいです。そのために基礎知識をつけるのはもちろん、自分の強みであるコミュニケーション能力をさらに磨きつつ、異なる意見や立場の人との交渉など、自分がまだまだ苦手としている部分も解消していきたいです。
入社時から変わらずどうせやるなら大きいことをやりたいとずっと思っていました。もっと全体を変えて、より良くしていきたいです。
例えば、いつか全体のDXを推進するポジションにつくとか。プロジェクト単体もいいですが、全体としてどう変えていくのかなど、視野を広げて考えるようなことにもチャレンジしてみたいです。
──最後に、これからジョインされる皆さんにメッセージをお願いします。
JPデジタルには、エキスパートも、ジェネラリストも、多種多様な人たちが集まっています。それぞれに求められているスキルや役割があり、各々が輝ける場所もあります。そして、誰もがチャレンジできる環境があります。
だからこそ、どんな人にも果敢にチャレンジしてほしい、そう願っています。