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Interview

鈴木×荒木×梅田

「新オフィス移転プロジェクト」

若手社員が挑戦、プロジェクトにかける想いに迫る

若手を中心に企画・設計されたJPデジタルの新オフィス。細部に施された、メンバーのパフォーマンスを最大限に引き出すための仕掛けとは? 企画・設計を担当した梅田舞佳、鈴木慶汰、荒木駿平に話を聞いた。

窓がない! 組織が急拡大したゆえのオフィス課題

──以前のオフィスの課題を教えてください

梅田:郵政グループのDXを担うJPデジタルは、2021年7月、20人程でスタートしました。当初は窓のないシェアオフィスの一室を借りて30席程度を用意していたのですが、組織の拡大は想定以上で、すぐに60人を超える組織へと成長しました。しばらくは在宅勤務やシェアオフィスのフリースぺースを活用してしのいでいたのですが、パートナー企業の方なども含めるとプロジェクトにかかわる人数は200名を超える状況で・・・。組織としての一体感を保ち、プロジェクトを円滑に進めるためにはオフィスを移転するしかないと、同年12月には新オフィスに向けた検討をスタートしました。

目指したのは、「出社したくなるオフィス」。JPデジタルは、テレワーク環境が整備されているので、週の大半が在宅勤務だという方も多いんです。しかし、これまでにない新たな価値を創出するには、膝を突き合わせて議論したい場面もたくさんあります。そこで、自然と仲間意識が醸成され、メンバーが一丸となれるような空間づくりを目指しました。

日本郵政不動産 開発事業本部 開発第一部 梅田 舞佳
(JPデジタル設立時からプロジェクト期間まで、JPデジタルに出向)

──プロジェクトはどのように進めていったのですか?

梅田:飯田CEOや大角COOから「JPグループの若手の持つ力を最大限発揮してほしい」とオーダーがあり、私の出身部署でもある、郵便局の設計や日本郵政グループの不動産事業を技術的に支援している日本郵政 一級建築士事務所(日本郵政 施設部)へ新オフィスの設計・工事監理の依頼をすることにしました。

プランについては、実際にオフィスを使うメンバーにヒアリングして、要望を取りまとめるところからスタートしました。中でも多かったのは、「コミュニケーションスペースがほしい」とか「リラックスできる空間がほしい」とかですね(笑)。飯田さんからは、「社長室や役員室は作らず、フラットなオフィスにしたい」「柔軟な発想や活発なコミュニケーションが生まれるような仕掛けがほしい」「窓に向かって作業できるようにしてほしい」などのリクエストがありました。

入社したばかりのメンバーからは、「メンバーの顔と名前が覚えられない」という声が上がりました。在宅勤務が続いていたこともあり、お互いを知る機会がなかなか作れなかったのです。そこで、設計を担当する施設部の鈴木さん、荒木さんと相談し、柱周りを活用してメンバーのポラロイド写真を貼ったり、飲み物を片手にちょっとした立ち話ができるようなスペースを設けることにしました。

──梅田さん、鈴木さん、荒木さんが中心となって進めたのですね。

梅田:そうですね。飯田さんをはじめ役員の皆さんと密に会話をしながら、ほとんど自由にやらせてもらいました。「こういうのはどう?」という意見をいただいたときは、鈴木さん、荒木さんと相談しながらブラッシュアップしていきました。

──設計の面ではどのような工夫をされていますか?

鈴木:「リアルな出会いを大切にする郵便局」と「デジタルの世界」を掛け合わせることによって新たな価値を創造するJPデジタルの世界観を表現してみました。コンセプトは、「振る舞いのデザイン」とし、人の振る舞いや感じ方を空間に落とし込みました。ここではワイガヤ活発に議論してほしい、ここでは集中して作業してほしいといったイメージを膨らませながら、「TSUKURu-Ba(ツクルバ)」「KOMORu-Ba(コモルバ)」「SHABERu-Ba(シャベルバ)」「YoRu-Ba(ヨルバ)」「G&A(General&Administrative)」という5つのゾーンを作っていきました。

日本郵政 施設部 開発設計グループ 鈴木 慶太

──各ゾーンのコンセプトを詳しく教えてください。

鈴木:「TSUKURu-Ba(ツクルバ)」は、みんなで活発に議論しながら新たな価値を作り上げていくゾーンです。基本的には1ブース6席で構成されていますが、間仕切をつくらずカーテンで緩く仕切り、また可動な什器を選定することで、メンバーが増えてもフレキシブルに対応できるようにしています。

活気が出るように床のカーペットも工夫しました。オレンジを基調とした動きのあるグラデーション色を採用し、空間にアクティブな印象を与えます。

鈴木:「KOMORu-Ba(コモルバ)」は、集中して作業や学びに徹するゾーンです。ゆとりある固定席や、オンライン会議に使える個室ブースを設けています。内装は、他のゾーンから移動してきたときに、空間と気持ちの切り替わりを感じられるように、マットな青を採用しました。

鈴木:「SHABERu-Ba(シャベルバ)」は、コミュニケーションスペースであり、靴を脱ぐことで、解放されてリフレッシュできる空間としました。ボックスを組み合わせたり移動させることで、雑談を楽しむ休憩スペースであったり、「TSUKURu-Ba(ツクルバ)」へ開かれた小上がりにも変貌する設えとしています。

鈴木:オフィスの中心となる「YoRu-Ba(ヨルバ)」は、みんなが気軽に立ち寄る場所であり、人々の情報交換・発見につながる仕掛けを施しています。

3DCGモデルを駆使して、オフィスイメージを共有

「YoRu-Ba(ヨルバ)」の情報交換のツールの一つとして、デザインウォールがあります。ロッカールームの背面を有効に使えないか議論をし、カラーガラスと大型モニターが共存する、リアル×デジタルなコミュニケーションツールとして提案しました。

これまで全体的に軽やかなイメージで空間を作ってきましたが、タイル仕上げにすることで、ここだけは変わらない不変な交流の場をイメージし、壁などもR形状にすることで、寛容さを表現しました。

▲R形状に施されたデザインウォール

──角の角度が変わるとずいぶん印象が変わるものなのですか?

荒木:結構変わりますよ。モニターの角の部分は、10R(半径10cm)でもいいよねとか、ガラスは30R(半径30cm)くらいがいいよね、といったように、何度も3DCGのモデル上でシミュレーションしながら、最も美しいRの角度を探っていきました。

日本郵政 施設部 開発設計グループ 荒木 駿平

荒木:それから、YoRu-Baのシンボルとして屋台を作ってみました。設計時、いきなりオフィスの真ん中に屋台を置くと提案してもなかなか想像しにくいと思ったので、屋台周辺の3Dモデルを作って飯田さんたちと完成のイメージを共有しました。他のゾーンも同様にCGの画像や動画を活用して説明したので、意思決定が非常にスムーズでしたね。

▲荒木が作成した屋台のCG

──これは本物ではなく、CGなのですか? すごくイメージが湧きますね!

荒木:設計の間、私はずっとパソコン上で3Dモデルを動かしては「ああでもない、こうでもない」とやっていました。なので、オフィスが完成したときは、「画面の中のものが目の前にある」と、ちょっと感動してしまいました(笑)

▲完成した屋台は、CGのイメージ通りと言ってもいいのではないだろうか

新オフィスのもう一つの顔は、働く場のDX

梅田:実は、新オフィスにはもう一つ重要な役割があります。オフィスに様々なデジタル技術を導入して、社員自ら新しいテクノロジーに触れることができる実験の場を作るという事です。

まずは、ワークスペースをクラウドで一元管理できるシステムを採用し、顔認証による入室、会議室やワークスペースの予約管理、社員位置情報の共有、来訪者受付を導入しました。兼務者やパートナー社員など様々方がこのオフィスを利用する中で、リアルな場のセキュリティの確保や社員証管理の煩雑さを緩和したり、スマホからでもスペース予約ができたり、働く上での事務作業を多少スマートにできているのではないかと思います。また現在、各スクラムの活動報告や社員同士のコミュニケーションツールなど幅広いコンテンツに対応できるサイネージモニターを開発中です。

▲顔認証を使った入室

「SHABERu-Ba」でクッションに埋もれて働く社員に突撃

──突然ですが、新しいオフィスはどうですか?

JPデジタル社員:仕事がはかどるので、とても気に入っています。前のオフィスは狭かったので、基本的に在宅勤務を選んでいました。でも、なかなか集中できなくて(笑)。今のオフィスは作業によって場所を変えられるのがいいですね。集中したいときは「KOMORu-Ba」を使うこともありますが、どちらかというと「SHABERu-Ba」のほうが開放感があって好きです。自宅のリビングにいるかのようにリラックスして仕事をしています。

梅田:気に入っていただけてとても嬉しいですね。最近は、働き方のみならず、様々な事がオンラインで人と会わずに完結する便利な時代が訪れていますが、新オフィスに移転してから、「YoRu-Ba」の屋台を囲んで雑談をしていた際に生まれたアイデアから立ち上がったプロジェクトがあったりと、リアルな場は、リアルな触れ合いがあってこそ生まれるアイデアや、人と人とのコミュニケーションをより円滑にできることを求められていると改めて実感しました。私たちが目指す「みらいの郵便局」は、JPデジタルの持つデジタルの技術と、施設部の持つ空間デザインの力が融合できると、よりパワーアップできるのではないでしょうか。

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